古代日本の聖なるデザイン

「木の国」と黒木造


2022年11月7日(月) 講師 大阪産業大学 前学長  金澤成保 

              場所   北区民センタ― 

はじめに

・日本は「木の国」。広葉樹・針葉樹の多種多様な樹種に恵まれる。温暖で四季のある気候で、

 降水と豊かな土壌に恵まれ、再生される森林。人びとは、木に神霊が宿ると見て、木々を日々

 の暮らしに深く結びつけて信仰や民俗とし、木々に愛着を持って建築や都市を造ってきた。

 

・天皇即位の祭祀儀式である大嘗祭は、古来黒木造の大嘗宮正殿で行われてきた。

 

・黒木とは樹皮が付いたままの木材で、神社建築としては、奈良春日大社の「おん祭」には黒木

 造の仮神殿が造られ、伊勢神宮の祭祀に関わる神社・御料地の鳥居が今でも黒木で立てられて

 いる

 

・黒木造りは、もっとも古くからある建築仕様であり、王権に関わる祭祀や数寄屋造や銘木好み

 に受け継がれてきたのではないか

 


〇神が宿る常緑樹:門松

 

〇常緑の神樹:サカキ

 サカキは、国字の「榊」のほか、

 る「栄木」、神性を表す「賢木」、神域の

 境を示す「境木」と表される

 

〇サカキが依代となる賀茂社の神事

 ・上賀茂神社の「御阿礼神事」、下鴨

 の「御祭」

 

〇古代の巨樹信仰

 ・皇祖神、別名「高木の神」と呼ます

 

〇今に続く巨樹信仰

 ・全国数は3メートル以上で約に保存される

 巨樹(全国の巨樹総は五万五千本)

 

〇神話に登場する巨樹

・筑後国のクヌギ・播磨国駒手の楠

 

神話に登場する巨樹

・肥前国佐嘉の楠

・近江国栗太郡のハハソ

 

〇神々による木の利用と植

 勧め

・須佐之男命は高天原を荒し八岐

 蛇を退治する 

 ・その子・五十猛命

 

〇木造で造り続けられた建

 築や都市

・ヨーロッパではレンガや石造り、

 日本では木建築

 

 

 

〇木には命が宿る

・「こだま」の信仰と木への愛着

 

〇木目へのこだわり

 

 

〇白木への愛着

・口・肌に触れるもの、神仏に捧げ

 

 るもの

 

〇白木造の好み

 

  

 

〇「詫び寂び」につながる

 

 白木と黒木

 

〇黒木造りの邸宅

 

〇黒木造りの仮御所

 

〇黒木造りの大嘗宮

 

古式を再現

 

〇古くは質素であった貴族住

 宅

 

〇黒木造「行宮」と樹木信

 の神事

・春日大社「おん祭」

 

 〇神宮祭祀に関わる黒木鳥

 ・黒木鳥居は鳥居の原始形

 

〇新たな木造建築へ